サステナブルな社会の実現に向け、設備のデジタルデータを活用した性能評価やシステムシミュレーション等を用いた改善検討による機能維持・向上が求められる。そのようなデータ基盤に必要な情報には現状のBIMでは記述が難しいものが含まれ、SDM(セマンティックデータモデル)という汎用フォーマットを用いた空間・設備の機能関係の記述が有用と考えられる。一方、日本の多くの建物をデータ化する材料として図面しかないケースが多い。そこで本稿では、既存の大学校舎10棟の機械設備図面の分析をし、マルチパッケージ型空調の機器表を入力として機能関係・所在・仕様のSDMに基づくセマンティックデータを生成するプロセスを構想し、分析対象建物の類型化で得た4グループの代表 4 棟に対して実装した変換プログラムの試行・評価を行った。その検討により本手法の可能性と限界を整理した。