抄録
本研究では都市活動に伴う水需要を把握するため,各種建物の使用水量を精度よく推定できる多元的な予測式の導出を試みている.第1,2報では事務所,ホテル・旅館について示したが,本報は引き続き百貨店・量販店を対象に解析している.前報までと同様に,全国8都市で実施した水使用アンケート調査を基に,始めに建物の諸特性・使用水量の関連分析によってそれぞれ項目間の近似式を提示し,次いで建物管理者の水使用意識と節水対策の実状を示した.使用水量の予測は重回帰分析により検討し,延べ床面積あたり使用水量を"人員密度・年間営業率・中央式冷房設備の有無"の3変数によっておおむね精度よく説明できる多元式を提示した.