1993 年 18 巻 53 号 p. 33-45
先に実施した実大規模のファンコイルユニットによる空調実験で,吹出し方式の違いと省エネルギー性および低レベル熱源利用の可能性との関連について,基本的特性の一部が明らかとなった.本報告では実験で用いた室を計算モデルとして三次元数値計算を行い,実験結果と比較した結果,両者はおおむねよい一致を示し,この種の数値予測には有効であることが明らかとなった.さらに,一般的居室を対象として,室寸法,壁体構造,吹出し風量および吹出し空気温度などが全壁面熱通過損失,居住域平均温度などに及ぼす影響について調べた.その結果,実験で得られたとほぼ同等の基本的特性が得られたほか,室寸法の増加および壁体構造の断熱性の低下は下吹出しの優位性をさらに高める結果を示した.