空気調和・衛生工学会 論文集
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浄化槽を想定した硝化液循環型脱窒法における循環比等に関する実験的検討 : 第3報-硝化・脱窒反応にかかわる流入汚水条件による影響
井出 昌樹武藤 暢夫
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1995 年 20 巻 57 号 p. 49-56

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抄録
本研究は小規模浄化槽を想定した硝化液循環型の脱窒方法における最適条件を明確化することを目的とした継続実験である.前1,2報では,合成汚水および実排水を用いた室内実験において,生物学的各処理工程における酸化還元レベル,返送循環比,反応温度などの諸条件と脱窒効果との関係について取り上げた.本報告では,主として次の事項についての実験結果を報告する.1)流入汚水中のC/N比の脱窒効果に及ぼす影響2)汚水流入量負荷の脱窒効果に及ぼす影響その結果,以下の知見が得られた.1)流入汚水中のC/N比が2(BOD/T-Nとして4程度)以上の条件下においては,比較的安定した硝化・脱窒反応の進行が認められた.しかし,流入汚水中C/N比がおおむね1以下では反応の進行は鈍化する傾向を示した.2)硝化液の循環比を4一定として,流入汚水量負荷を段階的に変えて,各槽内反応時間に変化を与えた結果,25℃下において実験結果から割り出される嫌気槽内反応時間として少なくとも6時間程度,硝化槽内反応時間としては少なくとも4時間程度の条件において80%以上の脱窒率が認められた.
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© 1995 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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