空気調和・衛生工学会 論文集
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複層ガラスの断熱性能に関する研究 : スペーサ部の冷橋と表面熱伝達率について
清水 則夫成瀬 哲生
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1999 年 24 巻 72 号 p. 75-84

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抄録
複層ガラスの断熱性能は,ガラスの中央部の熱貫流率で示される.しかし,四周のスペーサ部が冷橋になり,その断熱性能は悪くなる.通常,複層ガラスの熱貫流率は,熱伝達率が一定として示されている.しかし,熱伝達率は,複層ガラスの断熱性能によって変わる可能性がある.本研究では,多種の複層ガラスの断熱性能の把握,スペーサ部の冷橋の影響範囲,複層ガラスの断熱性能を中央部とスペーサ部に分離して示す方法の検討,複層ガラスの断熱性能と使用時の温度差が熱伝達抵抗に与える影響を把握することを目的として実験を行った.得られた結果を下記に示す.1)複層ガラス中央部の熱貫流率は,3+A6+3の場合に3.20W/(m^2・K),3+A12+3の場合に2.88W/(m^2・K),3+A18+3の場合に2.75W/(m^2・K)であった.2)3+A12+3の複層ガラスの通常スペーサの線熱貫流率は,0.044W/(m・K)であった.3)3+A12+3複層ガラスの通常スペーサが,室内側ガラス表面温度に及ぼす影響範囲は,ガラス端部より5cmであった.
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© 1999 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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