樹脂管は温水配管の分野で重要な位置を獲得しつつある。本論文は給湯用ポリブテン管の内圧クリープ試験結果,酸化防止剤の拡散解析及び環境条件の加速評価方法を示す。内圧クリープ試験は,内側は熱水,外側は空気の条件にて,80〜120℃の温度範囲で60000時間以上にわたって実施された。クレイズによる破壊(ステージI及びII破壊)から酸化劣化による破壊(ステージIII破壊)への遷移を評価し,設計フープ応力に及ぼすステージIII破壊の影響について検討した。酸化防止剤の濃度プロファイルから酸化防止剤の管外部への移動・消失を定量的に評価し,ステージIII破壊に及ぼす環境条件の影響はビオー数により記述されることが分かった。また,フィルムを用いた環境条件の加速評価試験の有効性が示された。