抄録
長方形水路における温排水の熱拡散現象に対して,幾何学的条件である放水口深さ,放水口形状および水路幅がどのような影響を及ぼすかを,特に温度分布,最高温度の減衰,等温線内に含まれる断面積の最大値および等温面内に含まれる体積に着目して実験的に検討した.その結果,温排水の水路水への乱流拡散は放水口深さが深いほど激しいこと,水路幅の影響は本実験範囲内では顕著でないこと,温度T^*=0.9,0.8,0.7,…などの各等温面内に含まれる体積は,放水口のアスペクト比が大きくなるに従って最初増大するが,アスペクト比がある値以上になると,逆に減少することなどが明らかになった.