抄録
室内環境を良好に保つために,ビル管法をはじめ各法規に室内環境基準が定められている。しかし冬期において実施される室内環境調査では,相対湿度の基準を満たすことができない建物が非常に多く見られるので,原因を究明し対策を講ずることは急務である。本研究では,冬期における事務室内の湿度環境の改善を念頭に中部地方の事務所ビル69箇所を対象に調査を行い,相対湿度低下の要因分析を行った。また,既往加湿器と比較して加湿効率が良い産業用加湿器である二流体ノズルを空調用加湿器として開発し,事務所ビルに導入することによって,大幅な湿度環境の改善が確認できた。