抄録
本論文は冷温熱輸送における搬送動力低減と変流量制御の簡素化を目的とした配管システムの構築を行うものである。まず,これまで広く行われてきた流量制御弁を廃し,分散ポンプと循環ループによる配管網の熱搬送モデルを提案し,空調機入口冷水温度の変化を設計条件とした水配管網のシステムの設計方法について述べる。つぎに,部分負荷時における搬送動力の低減方法として,循環ポンプの制御目標値である循環ループの還水温度を負荷に合わせて変化させることによって,空調負荷率を80%とした場合における搬送動力は,一定温度で制御する方式に比べて10%低減可能であることを示した。