空気調和・衛生工学会 論文集
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置換換気方式を導入した食品工場における室内温熱環境の調査研究 : 第1報-夏期・中間期の室内温熱環境の実態調査と省エネルギー効果の試算
竹内 仁哉吉野 一荻田 俊輔伊藤 一秀中川 則和高橋 義弘近藤 靖史
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2010 年 35 巻 156 号 p. 19-27

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抄録

近年、食品工場では「食の安全」を守るために、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などの厳しい品質管理を実施し、徹底した衛生管理がなされている。さらに、労働生産性の向上や省エネルギーへの取り組みも積極的に行われつつあるが、製品の加熱工程などでは大量の換気が必要であり、適切な換気・空調計画がなされていない場合、労働者の作業環境が劣悪になる場合がある。このように食品工場では設計・計画段階において、製品の品質を高く維持しつつ、労働生産性や作業環境の向上を図り、エネルギー消費量の低減を行うべく、適切な換気・空調計画を行うことが重要である。本研究では、工場などの労働環境で快適性を満たし、かつ、省エネルギー効果が高い方式とされる、置換換気方式を採用した食品工場の温熱環境について、実態調査を行い、その導入効果を検討する。さらに、CFD解析により適切な給排気レイアウトや換気量の検討を行い、今後の食品工場の設計において、置換換気方式を適用する際の基礎的資料を示すことを目的とする。本報では、実測による夏期と中間期の室内温熱環境の実態調査を報告する。また、置換換気方式を導入したことによる省エネルギー効果の試算結果を報告する。

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© 2010 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
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