2016 年 41 巻 226 号 p. 1-11
本報を含む一連の研究の目的は、熱源機器・搬送機器・熱交換器・室内応答などが相互に関連する複雑な空調システム全体をモデル化した動的空調システムシミュレーションを構築し、CFDソフトと連成させた室内気流連成型動的空調システムシミュレーションにより、空調システムの過渡的現象を再現・改善することである。前報では、「非定常温度環境下での温冷感を利用した空調」における、室内顕熱負荷、送風温度、VAV最小風量、制御パラメータが、周期的な室内温度変動と、エネルギー消費に与える影響を同シミュレーションにより明らかにし、同シミュレーションの有用性を検証した。本報では、「非定常温度環境下での温冷感を利用した空調」に、送風温度リセット制御と、室内温度設定値の変更周期を空調ゾーン毎に半周期ずらしたデマンド抑制制御を加え、それらが周期的な室内温度変動と、エネルギー消費に与える影響を同シミュレーションにより明らかにすることで、同シミュレーションの有用性をさらに検証した。