空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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学術論文
地域エネルギーシステムの最適化における学習的探索手法と機械学習の複合アルゴリズムの開発
第2報−建物間熱融通システムの運用最適化における強化学習との比較
池田 伸太郎大岡 龍三
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2018 年 43 巻 254 号 p. 23-32

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抄録

従来, エネルギーシステムの運用最適化では, システムを線形化もしくは凸型の二次関数などで簡易的にモデル化し最適解を求めるアプローチが散見された。しかし, 近年あらゆるモデルに適用可能(モデルフリー)な最適化手法が発展し, 高次関数のみならず機械学習など複雑系モデルを組込むことも可能になってきている。著者らはこれまでモデルフリーな手法の一種であるε DE-RJ (Epsilon differential evolution with random jumping)を地域冷暖房システム等に適用し, その有効性を示してきた。本報では本手法の更なる拡張を目的に, 問題がより複雑な共有蓄熱槽を含む建物間熱融通システムを対象とし最適化をおこなった。その結果, 変動型電気料金のもとで24 時間の最適運用計画を高速に得られることを示した。更に, 近年注目が集まる強化学習と比較し, 精度・速度ともにεDE-RJ が優れていることを明らかにした。

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© 2018, The Society of Heating, Air-Conditioning and Sanitary Engineers of Japan
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