筆者らは,オープンサイクル型の吸着材蓄熱システムを開発してきた。 吸着材としてハスクレイを用いた蓄熱システムは低温廃熱を利用することができ,ハスクレイ充填層の蓄熱・放熱特性を実験的に検討してきた。 また,吸着材蓄熱槽のシミュレーションモデルを開発した。 本報では,実際の日野自動車の3工場における蓄放熱性能の検証試験によって,2トン級の吸着材蓄熱システムを評価した。その結果,樹脂ペレット乾燥工程のための放熱運転試験において, 500kJ/L 以上の蓄熱密度を確認した。温水洗浄工程のための放熱運転試験において,空気流量制御によって給湯効率が向上できることを確認した 。 また, 吸着材蓄熱槽を用いたオフライン熱輸送システム可能性を確認した。