2022 年 47 巻 299 号 p. 1-9
PCM の使用においては,相変化温度,設置量ならびに使用条件によって蓄・放冷特性が大きく変化するため,PCM の最適使用条件を求めるためには,PCM の冷却・加熱特性の予測が可能な計算方法が必要となる。既報において,PCM の過冷却及びその解除現象をモデル化し,T-h 特性から PCM の温度分布を求める計算方法を提案した結果,計算値は冷却過程の特性を良く表現できることが示されたが,加熱過程においては差が生じることが確認された。そこで本研究では,加熱過程の計算精度の向上のために,PCM 融解時の様子が表現可能な融解モデルを提案して計算を行った。その結果,本計算方法は比較的高い精度で PCM の蓄・放冷特性を予測できることを示した。