抄録
現在,広く利用されている標準気象データと,今回,筆者らが作成した九州の気象データを用い,一般的な事務室を対象にしたHASP/ACLDプログラムによる計算を行い,空調負荷による地域性の比較を行った.その結果,九州内3地域(福岡・熊本・鹿児島)の比較では,夏期除去熱量はほぼ等しく,冬期供給熱量は各地で異なり,特に熊本が大である.さらに,上記3地域に東京と大阪を含めた5地域での年間空調負荷を比較すると,大阪が最も年間負荷が大きく,以下,熊本・福岡・東京・鹿児島の順に小さくなる.また,各地での建物平面形状と空調負荷の関係について,種々の平面形状(縦横比1:1,1:2,1:4)での年間負荷の相違を明らかにした.