抄録
第1報においては,排水トラップ中の封水損失を伴った封水の振動現象を解析するために数学モデルを提案し,S形トラップにインパルス波形および任意波形の負圧を印加した場合のシミュレーションを行って実測値との合致を確認し,提案した数学モデルが封水の運動解析に有効であることを示した.本報では,封水の運動を定性的に把握するため,S形およびP形トラップにおいて,負圧印加による封水の挙動を観察し,さらに二次元流れの観察を行って,第1報の考察結果にほぼ満足な物理的解釈が与えられた.以上により,従来の静的な概念では把握不可能であった封水の動的挙動の実態を明らかにした.