抄録
成層型蓄熱槽で,槽の形状と入力条件が与えられれば,あらかじめ槽の熱特性を予測できる手法を得ることを目的に,模型実験を行った.実験槽の単位長さは0.8mで,アルキメデス数による相似則で実際の槽での条件に合わせ,入力流量・温度差のほか,出入口管径・槽辺長を変化させてその影響を実験した.槽内の混合機構を完全混合域,深さ方向への分子拡散レベルの一次元拡散域,出口下端より下の死水域,の三つに分けて考える混合モデルを提案し,その計算値と実験結果を照合し,成層型入力の単一槽に限定される実験範囲で,入力条件によって決まるアルキメデス数Ar_<in>と,完全混合域の深さlの間に,Ar_<in>(l/d_0)^2=0.41(ただし,d_0は入口管径)の関係を得た.