抄録
本報では,本研究の具体的実践対象である大阪大林ビルの空調設備と電算機制御システムについて述べ,最適化制御の前提条件である省エネルギ設計・環境設計への洞察と,フィロソフィの設定がいかに重要であるかを示す.このビルの空調設計のフィロソフィは,建築と設備との協調,低公害,ミニマムエネルギ,都市エネルギの効果的利用,最適化,フレキシビリティの6点である.コストは拘束条件の一種として存在する.空調システム・熱源システムの計画の過程で,設計面における合理化・省エネルギ化を徹底させることによって,必然の帰結として最適化制御の導入が図られた.電算機制御のソフトウエア・ハードウエアの構成と,その特徴について述べた.