抄録
市街地の熱環境の大きな要素としての地表面温度について,従来は地表面被覆材料の熱特性を中心とする研究が多く行われてきたのに対し,本報では,周囲の建物の形態や配置による地表面の日射受熱量の相違を中心とする検討を行った.始めに二次元街路空間の地表面について,天空率,実効可照率,路面・壁面間の日射の相互反射,地表面温度分布に関する検討を行い,基本的特性を明らかにした後,実際の三次元空間の地表面について同様の検討を行った.特に三次元空間内の天空率,実効可照率,地表面温度分布の計算方法を示し,航空機からの熱映像による地表面温度分布の実測結果と計算結果の比較を行った.