鉱山地質
Print ISSN : 0026-5209
韓国,三宝鉛―亜鉛―重晶石鉱床の鉱脈形成および鉱化作用
左 容周
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1989 年 39 巻 218 号 p. 383-391

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抄録

韓国の三宝鉱床は鉛―亜鉛―重晶石の鉱脈鉱床である.鉱脈を地質学的,鉱物学的に詳細に観察した結果,鉱化作用は4つのステージに分けられる.それぞれのステージの主構成鉱物は,石英と硫化鉱物(ステージI),重晶石(ステージII),石英と硫化鉱物(ステージIII),そして石英(ステージIV)である.鉱脈は下盤から上盤に向かって非対称的配列をなしている.流体包有物の充填温度はステージIVを除けば,ステージごとにあまり差がないが,塩濃度は重晶石が沈澱するステージIIの方がステージIとIIIより高いことがわかる.この事実からステージIIでもとの鉱液と,高い塩濃度を持ち,しかもBaに富む溶液との混合が推察される.

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© 資源地質学会
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