日本鉱業会誌
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焙焼・焼結について
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1962 年 78 巻 894 号 p. 881-896

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抄録

鉛の熔鉱炉製錬, 電気炉製錬においては, あらかじめ鉱石を前処理して, 脱硫焼結をする必要がある。村上製錬所においては, スクラップの鉄を多量に使用して, 硫黄の多い装入物を電気炉で処理しているが, これは例外であり, 一般に炉装入物の硫黄はなるべく少ない方がのぞましい。この項については“装入物中の硫黄”のところで詳細に検討されている。このため炉には, あらかじめ脱硫された焼結塊を装入することになる。
わが国の各事業所においては, 立地条件, 使用鉱石の相違ということもあるが, この工程および使用装置がそれぞれ異なつており, 本委員会では, この問題をとりあげ, それぞれの長所, 短所につき論じてきた。
わが国では, 鉱石の予備処理として, 現在つぎの各種の方法が採用されている。
工程事業所 1. 一段焼結国富, 村上, 小坂 2. 二段焼結神岡, 佐賀関, 会津 3. 焙焼-焼結細倉, 契島
また焼結機に粉鉱を装入する前にペレットにする工程を入れているところは, 神岡, 契島, 会津の各事業所である。このべレタイジングが焼結に及ぼす影響などについても, 幾多討論が行なわれた。
焙焼炉には現在ヘレシヨフ炉が用いられているが, 鉛精鉱を流動焙焼炉で焼く可能性についても議題にのぼりその研究結果が発表された。
焼結機にはポット, 直線型-DL, 円型-DLなどが用いられているが, 直線型-DL, 円型-DLの特長が比較検討されてきた。
また最近, 話題にのぼつているup-draft焼結法についても説明があり, 焼結排ガス中のSO2の回収も現在, 神岡で行なわれているが, 各委員より, この問題について, 一般的討論が行なわれた。

© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
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