資源と素材
Online ISSN : 1880-6244
Print ISSN : 0916-1740
ISSN-L : 0916-1740
輸送ダイナミクスの統計場の推定のための改良カルマンフィルタ法-1. 数学的基礎
野中 道郎Neale H. THOMAS
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 112 巻 2 号 p. 89-93

詳細
抄録

Switching mode Enhanced Extended Kalman (SEEK) ブイルタアルゴリズムの数学的基礎について報告する。SEEKフイルタアルゴリズムは, 最適な観測行列を選択することにより推定誤差ともに分散行列の収束速度を増大させる, という発想に基づいて開発されたものである。収束速度の指標として, カレントな状態推移行列, 駆動行列, 観測行列および観測雑音ともに分散行列で構成されるリカッチ型行列微分方程式のヤコビアンのトレースに注目した。SEEKフィルタアルゴリズムでは, この評価関数を最大にするように観測行列を切り替える。SEEKフィルタの性能を示すため, ガウス性白色雑音を伴う2状態ロレンツシステムおよび3個の渦の挙動を特性づける離散渦モデルにより状態推定を行った。その結果, SEEKフィルタは従来の拡張カルマンフィルタに比べて, 際だった推定性能を発揮することを確認することができた。

著者関連情報
© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top