歯科医学
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新製法によるオールセラミッククラウン-乾燥方法による適合性の改善-
増田 貴行柿本 和俊北尾 徳嗣高橋 一也小正 裕
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2015 年 78 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

我々はオールセラミッククラウンのコーピングを特別な機器や複模型を使用せずに,短時間で容易に製作可能な焼成陶材法を開発し,臨床応用の可能性を報告した.これまでの研究において,製作時間を大幅に短縮して強度を改善したが,適合性を改善する必要性が明らかとなった.
  そこで本研究では,1次焼成時の乾燥方法を自然乾燥と熱風乾燥(ドライヤー)の2条件とし,1次焼成後と2次焼成後の適合性を調査した.
  その結果,1次焼成後の自然乾燥時の浮き上がり量は平均190μm,熱風乾燥時の浮き上がり量は平均37μmであった.2次焼成時の自然乾燥時の浮き上がり量は平均298μm,熱風乾燥時の浮き上がり量は平均212μmであった.
  1次焼成後では危険率1%でドライヤーで乾燥した方が浮き上がり量が小さい結果となった,2次焼成後では乾燥法による有意差はなかった.すなわち,ドライヤーでスリップを乾燥させることは,1次焼成後の適合性の改善となった.また,2次焼成によってコーピングの適合性は低下し,ドライヤーの乾燥による適合性の改善効果は明確ではなくなった.

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© 2015 大阪歯科学会
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