色材協会誌
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総合論文
ポリエチレンオキシド―ポリプロピレンオキシドブロック共重合体を用いた金属ナノ粒子の新規合成法
酒井 俊郎
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2008 年 81 巻 8 号 p. 286-293

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抄録

市販の汎用ポリマーであるポリエチレンオキシド (PEO)―ポリプロピレンオキシド (PPO) ブロック共重合体を用いた金属ナノ粒子新規合成法について紹介する。PEO-PPOブロック共重合体が, 溶液中で金属イオンを還元する作用が見いだされ, 金属ナノ粒子合成法へと発展した。その結果, 還元剤の使用やエネルギー印加を必要としない簡便かつ穏和な多様性に富んだ金属ナノ粒子合成法を実現した。また, PEO-PPOブロック共重合体の両親媒特性を巧みに利用することにより, 形成する粒子のサイズ・形状・複合化・分散安定性を制御できることが明らかとなった。今後のナノテクノロジー分野の発展の鍵となる環境・エネルギー・コスト面の問題を解決し, 克服する技術になり得るものと期待している。

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© 2008 一般社団法人 色材協会
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