色材協会誌
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総説
高分子分散剤を用いたナノ粒子合成と分散特性
斉藤 美宏大塚 英典
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2010 年 84 巻 1 号 p. 12-17

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抄録

金属や半導体などの無機微粒子,とくに,ナノサイズオーダーの微粒子の示す特異な挙動やその物理化学的性質には興味深い現象が多く存在し,したがって光学材料や磁性材料,導電材料としての展開をはじめとして医療工学分野への応用が模索されている。たとえば,Auナノ粒子のバイオ関連分野への応用としての金標識法は,顕微鏡下に特定のタンパク質をはじめとする物質(抗原)の局所分布を可視化するためになくてはならない技法となっている。さらに近年の材料科学とバイオテクノロジーの融合は,分子イメージングといったバイオセンシングをはじめとしてさまざまな応用研究を可能としている。しかし,これらの応用分野で機能するナノ粒子には高い分散安定性が求められ,その達成にはナノ粒子表面の物性制御が重要である。本稿では金ナノ粒子を中心とした材料合成,その高分子を用いたナノ界面制御と分散安定化方法などについて紹介する。

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© 2010 一般社団法人 色材協会
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