色材協会誌
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最新顔料講座(第VII講)
二酸化チタン
磯部 薫
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2011 年 84 巻 3 号 p. 104-109

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抄録
顔料用二酸化チタンは亜鉛華,リトポン,鉛白などの白色顔料に比べて屈折率が高く,粒度が細かいので白色度,隠ぺい力,着色力などの光学的性質に優れている。さらに毒性もなく,光や熱に対しても安定であり,また耐薬品性にも優れていることから“白色顔料の王様”と呼ばれ,わが国の全白色顔料の約70%を占めるに至っている。二酸化チタン顔料は,塗料,インキ,プラスチックス,紙,ゴム,化繊,化粧品など幅広い分野で使用されている。今回は,二酸化チタンの歩みとして歴史から基本的な物性を中心に顔料としての特性などを概説し,粒子径の観点から酸化チタンの特性(紫外線吸収能,光散乱能,光触媒活性など)を利用した白色顔料用途以外の機能性材料として新しいカテゴリーを形成する二酸化チタン材料の展開を解説する。
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© 2011 一般社団法人 色材協会
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