色材協会誌
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総説
色素増感太陽電池の最新動向
荒川 裕則
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2011 年 84 巻 3 号 p. 92-98

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抄録

色素増感太陽電池(DSC)の研究開発の現状について紹介した。まず,DSCの原理と構造,発電機構,特長について簡単に解説した。5 mm角程度のDSCの世界最高性能として11~12%の変換効率が達成されている。この結果を受けてモジュール化の研究開発が活発に行われ,5 cm角から10 cm角レベルの大きさで9~10%の性能が報告されている。30 cm角から1 mサイズのモジュールの試作もされているが,性能は7%程度である。実用化のための耐久性試験についても検討されており-40~85℃までの温度サイクル試験,85℃で1000時間の耐熱試験,500時間以上の連続光照射試験においても優れた耐久性が示され,実用化に向けた屋外実証試験を行っている企業もある。最後に,変換効率15%を目指したDSCのさらなる高性能化のための研究開発課題についても述べた。

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© 2011 一般社団法人 色材協会
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