色材協会誌
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最新表面科学講座(第 I 講)
最新表面科学講座の開講にあたって
中島 章
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キーワード: 表面, 分析, 濡れ, 酸化チタン
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2012 年 85 巻 8 号 p. 343-348

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抄録

固体の表面は,固体自体と他の物質との化学反応の場であるとともに,光,熱,電荷,情報といったものとの直接的な仲介部位である。近年,工業材料に求められる機能は多様化・高度化・複雑化してきており,バルク固体材料の技術的限界をブレークスルーするものとして表面機能材料への期待が高まっている。表面の特異性は,分子や原子の性質がバルクの固体に比べて,より顕著に発現する点にある。今日表面物性は,ナノレベルでの材料評価・解析がなければ,設計ができなくなりつつある。このような背景を踏まえ,今回,「最新表面科学講座」を企画した。本稿では本講座の導入として,身近な表面機能である濡れを例にして,表面機能への組成や構造のかかわりや,表面分析に基づく研究例の一端を紹介する。

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© 2012 一般社団法人 色材協会
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