色材協会誌
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光と色彩講座(第6講)
2次元色彩計による色・質感測定法とその応用
加藤 誠
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2016 年 89 巻 4 号 p. 129-134

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抄録

人の目ではメタリックやパールのあるワーク等の乱反射を生じる対象に対して,質感の情報は明確に分離されて色彩が認識されるのに対し,従来の分光色度計では画像の色情報が混然と混合されて取得してしまうため,実際に人の目で見た情報と乖離した数値が測定されていることが問題となっている。現状は,人の目による官能的な判断に頼らざるを得ない状況が生まれているが,目視による官能検査では品質のバラつきが発生し,色彩品質が安定しないという課題が残されている。こうした問題点は,各種業界で多岐にわたって存在し,検査工程にかける費用対効果は低い。
2次元色彩計は,従来の分光方式での色を正確に捉える方式と比べて,対象物の色と質感を合わせて,評価する新しい評価法であり,本装置を用いることにより,従来の色測定方式に対して,一線を画した色管理の厳しい用途での応用についてその可能性について解説した。

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© 2016 一般社団法人 色材協会
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