色材協会誌
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総説
ポリマー微粒子の調製プロセスと多孔質化
市川 秀寿
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2018 年 91 巻 12 号 p. 390-394

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抄録

ポリマー微粒子は,汎用性や利便性の高さからさまざまな分野で多岐にわたり活用されている。魅力的な機能性ポリマー微粒子の一つに表面や内部に細孔を形成した多孔質ポリマー微粒子がある。この多孔質ポリマー微粒子は,今までにない粒子の特徴をもつが,その調製プロセスは複雑であり改良することが必要とされている。

本総説では,特別な設備を使うことなく簡便な操作によりポリマー微粒子を調製するプロセスとして,W/OエマルションからO/Wエマルションへの転相プロセスと水溶性有機溶媒の除去プロセスを組み合わせた球状ポリマー粒子の調製方法について解説する。さらに,インキに利用される多孔質ポリマー微粒子の具体的な使い方について説明する。最後に貧溶媒を使用することで多孔質ポリマー微粒子の簡易的な調製プロセスを紹介し,多孔質化を促すO/Wエマルションの油滴中の相分離と得られる粒子の形態変化について解説する。

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