色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
解説
IgMの精製技術の最前線
奥田 徹哉
著者情報
キーワード: IgM, 抗体, 精製, 吸着剤, 糖鎖抗原
ジャーナル 認証あり

2021 年 94 巻 12 号 p. 325-329

詳細
抄録

IgMは病原菌やウイルスに感染した哺乳動物の免疫細胞が初期応答として産生する免疫グロブリン(抗体)である。感染初期に産生されるため早期診断の指標に適していることや,糖鎖抗原に対しては高性能なIgMが得られるなど産業応用上の利点がある。一方で,抗体の主成分であるIgGと比べると不安定な性質のため, 精製方法をはじめとしてIgMを扱う技術の確立は難しく,抗体材料としては実用性に乏しかった。近年になり,IgMの精製方法を確立できる技術環境が整い始めたことから,その産業応用が現実味を帯びてきている。ここでは,IgMの精製に適したクロマトグラフィー用担体と,これらを用いた精製技術の最前線を解説する。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 色材協会
前の記事 次の記事
feedback
Top