色材協会誌
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合成含浸剤の電気的特性
芦川 一
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1960 年 33 巻 6 号 p. 264-269

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抄録

電力用コンデンサー含浸剤は従来鉱油系等の天然産のものが使われてきたが, 最近合成樹脂系の利用が盛んになってきた。このことは天然産に望めないすぐれた特性が得られるようになったからで, 不燃性, かつ誘電率が高いので小型化にできるためであろう。合成含浸剤として一一般に五塩化ジフェニルが主として使われているが, 高粘度, 高低温における電気的特性, 熱膨脹が大きく, 毒性等に, やや難点があった。我々はこれら難点を少なくし, かつ特性をそこなはない補助剤があれば含浸剤としての効果がより安定化されると考え, 本研究に着手したわけである。この目的において五塩化ジフエニルを主体とし, 選択された10数種類の有機化合物のそれぞれを混合させてその電気的特性を測定し実用の適否を検討した。その結果ある適当な配合量で混合されたものの電気的特性は商用周波数における一般的なコンデンサーに使用される含浸剤としては, さしつかえないことが明らかとなった。

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