色材協会誌
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顔料の触媒活性 (第II報)
微量接触反応装置を用いた顔料の酸-塩基特性の評価
福井 寛斎藤 力田中 宗男
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1982 年 55 巻 12 号 p. 864-871

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抄録

顔料表面の酸性点・塩基性点を評価するために, 顔料によるイソプロピルアルコールの脱水・脱水素反応活性を微量接触反応装置で測定した。
顔料はイソプロピルアルコールの分解生成物から次の4種類に分類できた。
1.主にプロピレンを生成する顔料
2.主にアセトンを生成する顔料
3.アセトンとプロピレンを生成する顔料
4.イソプロピルアルコールを分解させない顔料活性点の構造を明らかにするために, ピリジンまたは酢酸を顔料に添加し, 添加前後のイソプロピルアルコール分解活性の比較から反応機構を検討した。それらの結果から分解経路は次の3つのタイプに分類できた。
経路1.酸性点のみが作用して脱水反応が生じる経路経路
2.酸性点が主であるが塩基性点も補助的に作用し脱水反応が生じる経路経路
3.塩基性点が主であるが酸性点も補助的に作用し脱水素反応が生じる経路

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