色材協会誌
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高速回転霧化式静電塗装機による塗料の微粒化
舘 和幸山田 勝則奥田 匠昭鈴木 正一
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1985 年 58 巻 7 号 p. 390-401

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抄録

常用回転数が10,000rpm以上 (周速40m/s以上) である高速回転タイプの回転霧化式静電塗装機による塗料の微粒化現象を明らかにするため, 霧化頭の塗料放出部の形状や噴霧条件が, 霧化頭における塗料の分裂状態, ならびに塗粒径に及ぼす影響を, それぞれ瞬間写真法と液浸法を用いて評価した。その結果, 次のことが明らかになった。
1.塗料放出部がナイフエッジ状の霧化頭の場合, 塗料の分裂状態は膜状であるが, 霧化頭の塗料放出部に溝や鋸歯等の加工を施すことにより, 繊維状分裂状態となる。しかし, 塗粒径はほとんど変化しない。
2.塗料粘度, 塗料流量や回転数によって, 塗料の分裂状態 (膜状, 繊維状) が変化することはないが, 塗粒径は大きく変化する。また, 分裂状態や塗粒径は, いずれも印加電圧にはほとんど影響されない。
3.塗粒径は, 分裂状態が膜状の場合, 液膜の広がりの増加に伴って増大し, 繊維状分裂状態の場合には, 液糸の長さの増加に伴って増大する。しかし, 分裂状態による塗粒径の差はほとんど認められない。

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