カルサイト結晶形の炭酸カルシウムを, アルミナ容器を装着した振動ミルによって摩砕して, ESRスペクトル測定, X線分析, X線回折ピークのストークス補正したフーリエ解析およびSEM写真観察を行い以下の結果を得た。すなわち, 摩砕初期には, 粒子中の微結晶間に存在した無定型部分が, アラゴナイトとして, カルサイト微結晶の表面に急速にデポジットした。それに伴って, この無定型部分に不純物として含まれていた無定型マンガンがMn2+としてアラゴナイトのCa2+の位置に入ることが確かめられた。摩砕が進むと, アラゴナイトがカルサイトに多形転移し, さらに摩砕が進むと, 無定型炭酸カルシウムがカルサイトとしてカルサイトの表面にデポジットして, これらに伴ってMn2+がカルサイト微結晶表面のCa2+の位置に入り, このデポジットしたカルサイトを架橋として超超微粒子の微結晶がいわばメカノケミカル燒結粒子を形成し, これが大きく成長した。