2002 年 75 巻 10 号 p. 474-479
本研究では, まず種々の条件を工夫することによって, 種々のエチレンオキサイド (EO) セグメント量 (12-98%) をもつ (BMA-b-EO) 共重合体を比較的よい収量で合成した。つぎに作製したブロック共重合体のLi塩 (LiClO4) 複合体とPBMAを用いて種々の作製条件を工夫することによって, 広い傾斜構造 (20%から70%) をもつ傾斜機能材料を得ることができた。
さらに, 傾斜機能材料中の電気伝導率と力学的特性の厚み方向の変化を均一材料の組成-特性関係から見積もった。いずれの傾斜機能材料でも導電率挙動の面からは30-40%付近に界面をもつ2層材料とまったく同様であったが, 引張強度や弾'性率は, 試料厚み方向で徐々に変化し, 力学的には境目がまったくないことがわかった。