2003 年 76 巻 12 号 p. 459-462
Cu2+, エチレンジアミン四酢酸 (EDTA) およびリボフラビンをドープしたゲルをゾルーゲル法により作製し, 光照射により銅微粒子の生成を試みた。シリカゲル中のリボフラビンの蛍光強度は光照射で減少し, 新たにルミクロムの蛍光が観測された。Cu2+, EDTAおよびリボフラビンをドープしたゲルを光照射すると, 575nmに新たな吸収ピークがあらわれた。これは数ナノサイズの銅微粒子のプラズモン吸収と一致しており, 銅ナノ微粒子の生成を示している。この銅微粒子の吸収は, 大気に放置しておくと消失したことから, この微粒子は酸化されやすいものと考えられる。またEDTAを過剰に加えないと銅微粒子は生成しない。以上のことなどからリボフラビンの光電子移動で銅微粒子は生成し, そのリボフラビンはEDTAから電子を受け取って再生していると結論される。