色材協会誌
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アルミニウムアノード酸化皮膜のコバルトによる電解着色
安井 晃仁長谷川 太一岩崎 光伸多田 弘明伊藤 征司郎
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2005 年 78 巻 1 号 p. 2-6

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抄録

CoSO4-H3BO3系混合浴を用いて, Alアノード酸化皮膜の交流電解着色を行い, NiSO4-H3BO3系混合浴と類似の褐色~黒色の着色皮膜生成におよぼす電解条件の最適化を試みた。
その結果, 電析効率がもっともよかったのは, 浴温度20℃, 電解浴のpH4.0, 浴電圧25Vとして電解着色したときで, 5分以上の電解で黒色の皮膜が得られた。
また, このとき, Co2+イオンの消費にともなって電解浴のpHが低下し, 色彩の再現性が低下するが, 難溶性のコバルト化合物の粉末を寒天ゲル中に封じ込めたものを電解浴中に加え, pHを回復させて電解着色したところ, 再現よく同じ色彩の皮膜が得られることがわかった。とくに, Co (OH) 2を含有した寒天ゲルの添加が最適であると判断した。

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