島根医学
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間葉系幹細胞の基礎研究と臨床応用
宮城 聡
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2025 年 45 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
間葉系幹細胞は,脂肪・骨・軟骨の3系統への分化能,造血維持能,免疫抑制能,組織修復能など多彩な機能を有し,再生医療や細胞治療の細胞ソースとして臨床応用されている。マウスでは,種々のレポーターマウスや細胞表面抗原を用いて,間葉系幹細胞をセルソーターで直接分離することが可能となっている。一方で,ヒト間葉系幹細胞は,古典的な培養方法で樹立され,国際細胞治療学会の提言に沿って機能評価が行われている。この方法で樹立された間葉系幹細胞は,先天性骨系統疾患や移植片対宿主病に対する再生医療・細胞治療に利用され,一定の治療効果をあげている。本稿では,マウスモデルを用いた間葉系幹細胞の基礎研究に関する知見と臨床応用の現状を概説する。
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