年報 信用格付研究
Online ISSN : 2758-2884
Print ISSN : 2758-7193
格付の視点からの電力業界の現状
―関西電力の事例―
垣口 裕則
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2024 年 2 巻 p. 1-7

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抄録

 東日本大震災までは、大手電力会社は、同一のものとして捉えられ、格付け上も大きな差異はないものとされていた。震災以降、徐々にレーティングに差が出てくるようになったが、今後、その傾向がさらに強まると考える。 原子力発電所の再稼動状況は、信用力の源泉ともいえるフリーキャッシュフローの創出力に大きく影響する。またCO2削減量にも関係する。再稼動の状況が大きく異なる中、信用格付けにおいては、個社ごとに評価する必要性がより高まってきている。発行体と格付会社との綿密なコミュニケーションを通じて、それぞれの電力会社に適正な格付けが付与されることが、多様な投資家が参加し、健全かつ活性化した資本市場の形成に資する。

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© 2024 日本信用格付学会
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