東日本大震災までは、大手電力会社は、同一のものとして捉えられ、格付け上も大きな差異はないものとされていた。震災以降、徐々にレーティングに差が出てくるようになったが、今後、その傾向がさらに強まると考える。 原子力発電所の再稼動状況は、信用力の源泉ともいえるフリーキャッシュフローの創出力に大きく影響する。またCO2削減量にも関係する。再稼動の状況が大きく異なる中、信用格付けにおいては、個社ごとに評価する必要性がより高まってきている。発行体と格付会社との綿密なコミュニケーションを通じて、それぞれの電力会社に適正な格付けが付与されることが、多様な投資家が参加し、健全かつ活性化した資本市場の形成に資する。