抄録
ハボタン(Brassica oleracea var. acephala. ‘Tsugumi’)の下胚軸を対象として3通りのDIF条件(+10 DIF(明期温度:25°C/暗期温度:15°C), 0 DIF(20°C/20°C), -10 DIF(15°C /25°C)における明暗期の伸長成長パターンを画像計測手法を用いて解析した. ハボタンの下胚軸伸長量はDIF値が大きくなるほど増加し, DIFによる草丈調節はハボタンにおいても有効であることが明らかとなった. DIF条件下における一日の伸長成長パターンは, 明期ではいずれのDIF条件でも特徴的な伸長成長は観察されなかったが, 一方暗期ではいずれのDIF条件でも特徴的な伸長パターンがあり, -10 DIFでは暗期開始直後から約3時間, 0 DIFでは暗期開始1時間後から約4時間, +10 DIFでは同じく暗期開始1時間後から約9時間に顕著な伸長成長が認められ, ハボタンにおけるDIF環境下での伸長成長量の差は暗期に発生しており, しかも暗期温度が低いほど伸長成長が顕著であることが明らかとなった.