抄録
‘カワヅザクラ’ (Prunus lannesiana Wils. ‘Kawazu-zakura’)の他発休眠期における発育速度をもとに, 8つに分類した各花芽の発育ステージから開花までと落弁までに要する発育指数を算出した. 算出した発育指数をもとに開花予測モデルを作成した. 作成したモデルは花芽の観察日と長期予報に基づく平年気温との差を入力することで, 開花日と落弁日を予測することができた. 気温の実測値から算出した推定開花日と実際の開花日との差は, 鱗片葉が割れて緑色が見え始める状態から予測した場合で約4日であった. より花芽の発育ステージが進んだ状態から予測するほど, 誤差は小さくなっていった. 本研究で作成したモデルは扱いも容易であるので, 実用場面で活用されることが期待できる.