植物環境工学
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特集論文
3段取りトマト栽培における群落内補光の時間帯が収量に及ぼす効果と補光の経済性
浜本 浩星 岳彦尾島 一史山崎 敬亮
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2010 年 22 巻 2 号 p. 95-99

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抄録

蛍光灯を用いたトマトの群落内補光について, 早朝2時間, 午前中2時間, 日中9~10時間の補光時間帯が収量におよぼす影響の比較を行った. 午前中と日中の補光を日射200μmol m-2s-1 PPF以下の時に限り行う処理も検討した. 補光は早朝よりも, さらに温度の上がる午前中の時間帯の方が増収効果が高くなった. 日中通して補光する処理はさらに増収効果が高かった. しかし, 午前中と日中日射の弱いときのみ補光する処理は, 同じ時間帯を通して補光するより減収となった. 補光時間の短縮には, 収量を落とさない制御アルゴリズムなど, まだ検討の余地があると考えられた. 続いて, 栽培試験の結果をもとに本研究の補光方式の経済性について検討し, 補光時間は2時間の方が9時間よりも費用対効果が高いが, 2時間照射でも, 実用性向上のためには電力や照明器具のコスト低減が必要であることを示した.

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© 2010 日本生物環境工学会
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