植物環境工学
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補光および遮光栽培条件下におけるミニチュアローズ鉢物の成育および日射量, 気温を基にした成育推定式の適用可能性
于 文進荒井 健悟今井田 一夫加藤 克彦李 蓮花福井 博一
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2010 年 22 巻 3 号 p. 133-139

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抄録

補光区, 遮光区および対照区の3実験区を設定してミニチュアローズRosa‘Fiesta Parade (POUlesta)’を秋, 春, 夏に栽培した. 秋栽培の補光区の草丈および生茎重は対照区を有意に上回った. 遮光区の葉面積, 葉数, 草丈, 生茎重は秋栽培において著しく抑制され, 対照区との間に有意な差が認められた. しかし, これらの遮光区と対照区との差は春栽培や夏栽培では小さくなった. 花蕾シュート数は夏栽培で最も多く, 春栽培, 秋栽培の順となり, いずれの栽培期間でも遮光区で有意に少なかった. 対照区における積算日射量, 積算昼間気温および積算夜間気温を説明変数として算出した葉面積, 生葉重, 生体重, 葉数および草丈の重回帰式は0.9以上の重相関係数を示し有意であった. 対照区で求めた重回帰式を用いて推定した補光区と遮光区の成育推定値と実測値との間には有意な正の相関が認められ, 各関係式の傾きは補光区で0.921~0.948,遮光区で0.930~1.013であった. したがって, 対照区で算出した重回帰式を用いて, 補光や遮光, 加温などの日射量や温度制御を行った場合の成育予測が可能であった.

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© 2010 日本生物環境工学会
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