植物環境工学
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LEDを用いた赤色光と青色光照射下で栽培されたニチニチソウの成長とアルカロイド収量
福山 太郎大橋 (兼子) 敬子大野 英一渡邊 博之
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2013 年 25 巻 4 号 p. 175-182

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抄録

ニチニチソウに含まれる抗がん剤成分VDLとCATを完全人工光型植物工場で効率的に生産する光環境の探索を行った,始めに,VDLとCAT濃度が高い品種の選抜を3つの園芸品種(Titan,DealbataおよびKermesia)から行った.VDL濃度に差はなかったが,TitanのCAT濃度が最も高く,発芽率も三つの品種の中で最も高かった.次にTitanをLEDによる赤単色光,青単色光および赤青混合あるいは蛍光灯による白色光で28日間栽培した.栽培最終日におけるニチニチソウの新鮮重量は,赤単色光下で他の処理区に比べて増加した.栽培最終日における全葉のVDLとCATの濃度には光質処理区間に差は無かった.株あたり葉のVDLとCAT収量も処理区間に有意差はなかったが,葉の新鮮重量に依存して他の区に比べて赤単色光下で大となる傾向が見られた.およそ2か月の栽培期間では,VDLとCATの生産には,本研究では赤単色光照射が最も有効であった.

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© 2013 日本生物環境工学会
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