植物環境工学
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論文
セルトレーのセルサイズと育苗期間が水ワサビ実生苗の形質とわさび田定植後の生育に及ぼす影響
久松 奨馬場 富二夫浜部 直哉勝岡 弘幸松田 健太郎稲葉 善太郎
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2021 年 33 巻 1 号 p. 5-11

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抄録

水ワサビ種子繁殖性品種のセル成型育苗について,セルサイズ(72,128および200穴)と育苗期間(2,3および4か月)が,実生苗の生育とわさび田定植後の生育に及ぼす影響を検討した.苗の生育にはセルサイズと育苗期間による根域制限が大きく影響し,T-R率はセルサイズが小さく,育苗期間が長いほど高くなった.セルサイズに関わらず,根鉢が形成に3か月を要し,その後,セル容積が大きいほど生育が優れた.育苗中の枯死苗率には,セルサイズと育苗期間の影響はなかった.わさび田で定植後の活着は,セルサイズと育苗期間の影響はなく,定植約1年後の生育,根茎の大きさにも影響はなかった.以上の結果から,水ワサビ実生苗の育苗において,セルサイズを72穴未満に縮小し,育苗期間を4か月未満に短縮できることが示唆された.

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© 2021日本生物環境工学会
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