日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-7019
Print ISSN : 2434-2912
第57回日本小腸学会学術集会
セッションID: S1-3
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主題セッション1 小腸疾患の診断・治療における内視鏡の進歩
初学者と熟練者間の2種類の小腸カプセル内視鏡の読影時間、診断能の比較
*前田 晃平小山 恵司尾崎 隼人大森 崇史城代 康貴小村 成臣鎌野 俊彰長坂 光夫中川 義仁大宮 直木
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抄録

【目的】 小腸カプセル内視鏡(SBCE)のPillCamSB3(SB)はAdaptive frame rate(AFR)機能を搭載し、読影時間の短縮が期待される。エンドカプセルEC-10(EC)は固定FRだがオムニモード(EC(OMNI))を搭載している。2類のSBCEを初学者と熟練者の2人で読影した症例について診断能、読影時間を比較する。

【方法】 対象は2016年1月~2018年2月にエントリーされた39例の内、初学者と熟練者2人で読影した12例。性・年齢による無作為割付で一方のSBCEを内服させ、幽門通過後に他方を内服、両者が大腸に到達した時点で検査を終了した。初学者と熟練者の読影時間および所見検出数を比較した。

【結果】 小腸読影時間はSBが初学者:17.9-51.1(中央値33.2)分、熟練者:10.6-26.4(18.8)分(p = 0.002)、EC(OMNI)が初学者:10.4-40.7(22.8)分、熟練者:6.5-35.5(12.8)分(p = 0.028)、EC(通常)が初学者:23.2-67.9(42.7)分、熟練者:8.6-41.8(26.3)(p = 0.009)だった。SB、EC(OMNI)、EC(通常)間の読影時間の比較では初学者:EC(OMNI)はSB、EC(通常)より有意に速かった(p = 0.021)(P < 0.001)。熟練者:EC(通常)はSB、EC(OMNI)より有意に遅かった(p = 0.038)(p = 0.001)。所見検出総数はSBが初学者:159個、熟練者:75個、一致数:53個(p = 0.082)。ECが初学者:155個、熟練者:109個、一致数:70個だった(p = 0.340)。

【結論】 全ての読影において熟練者が初学者よりも有意に速かった。所見検出数は初学者と熟練者間で有意差はなく読影に時間をかければ初学者でも熟練者に遜色なく診断ができる可能性が示唆された。

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© 2019 本論文著者
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