小児耳鼻咽喉科
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原著
小児鼻副鼻腔炎診断における超音波検査の有用性
—急性鼻副鼻腔炎診療ガイドラインと超音波検査—
深見 雅也
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2011 年 32 巻 3 号 p. 436-444

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抄録

  症状と鼻腔所見から急性鼻副鼻腔炎が疑われた小児132例に,急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン(2010年版)による重症度分類と上顎洞超音波検査を行った。その結果,いずれの重症度でも超音波検査陰性例が多く見られ,それらは 1 週間以内に治癒することが多かった。症状と鼻腔所見による重症度が同じでも,診断時の超音波検査の結果が高度である方が,治癒に要する期間が長い傾向があった。また,診断時超音波検査陰性でありながら,治癒に要する期間が長かった例では,その後の検査で陽性に転じている例が多かった。鼻副鼻腔炎の診断に,症状と鼻腔所見に加えて画像診断を行うことで,より正確な診断が行えることが示唆された。侵襲なく繰り返し行える超音波検査は,小児鼻副鼻腔炎の診断において,有用であると考えられた。

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© 2011 日本小児耳鼻咽喉科学会
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