小児耳鼻咽喉科
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シンポジウム I - 小児難治症状への対応
当科での小児睡眠呼吸障害の治療方針
相澤 直孝髙橋 姿
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2012 年 33 巻 3 号 p. 219-223

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抄録

  小児の睡眠呼吸障害(SDB)は多彩な症状を呈し,局所所見のみでは診断が困難な疾患である。SDB について睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いて評価することは重要であるが,小児に対応可能な施設は限られていることや,PSG のみでは診断が困難な症例もあることから,様々な方法を駆使して診断を行う必要がある。治療に関しては手術以外にも内服・点鼻治療も有用であり,重症度に応じて治療法を選択すべきである。手術による改善率は80%以上であるが,アデノイド再増殖による再発を生じることもあり経過観察は必須である。小児 SDB では顎顔面奇形や肥満などを合併する難治例も少なくない。難治例では SDB の原因を究明し,症例ごとに治療方針を検討する必要がある。

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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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