小児耳鼻咽喉科
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原著
当科における PFAPA 症候群の検討
井上 真規小河原 昇田辺 輝彦
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2012 年 33 巻 3 号 p. 281-287

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抄録
  PFAPA 症候群とは,1989年に提唱された症候群で,周期性発熱,アフタ性口内炎,咽頭炎,頸部リンパ節炎を主症状とし,乳幼児期に発症する疾患である。特異的な治療法はなく,ステロイド薬,シメチジン,扁桃摘出術が有効と考えられている。今回,平成20年以降に当科を受診した 5 例で臨床的検討を行った。性別は男児が 4 例,女児が 1 例,発症年齢は 6 ヶ月が 1 例,2 歳が 1 例,3 歳が 3 例であった。1 例にステロイド薬とシメチジン投与を行ったが改善せず,全例に扁桃摘出術を施行した。術後,全例で周期性発熱は改善した。PFAPA 症候群は,一般に予後は良好で自然治癒することが多いが,QOL の改善のためにも保存的治療で改善のみられなかった PFAPA 症候群症例において,扁桃摘出術は常に考慮されるべきと考えられた。
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© 2012 日本小児耳鼻咽喉科学会
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